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純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■2005年09月のニュース一覧
▼[2005.09.30]憧れ以上の理由
▼[2005.09.28]お金と作品
▼[2005.09.26]サイトの情報の見目
▼[2005.09.24]被害と日常
▼[2005.09.22]残り音の閃き
▼[2005.09.20]時,その顔
▼[2005.09.18]いま,所定の命題
▼[2005.09.16]and so, MP3
▼[2005.09.14]政治の川底
▼[2005.09.12]パックマンは太陽を
▼[2005.09.10]結合と煌めき
▼[2005.09.08]嫌われるべき奴?
▼[2005.09.06]基
▼[2005.09.04]この世に必要な価値がある…
▼[2005.09.02]必要なお店

■2005年10月のニュース一覧
■2005年08月のニュース一覧


 
[2005.09.30]
  憧れ以上の理由


 ▼Nasa plans return to Moon by 2020(BBC NEWS)【英語】
  http://news.bbc.co.uk/1/hi/sci/tech/4261522.stm


 「だから,憧れのままにしておいてはいけないこと,の筆頭に,いつまでもあるのですよ」と,猫先生は云いました。

quote:米国航空宇宙局(NASA)は,2020年までに再び月へと舞い戻る計画を発表した。NASAのマイケル・グリフィン博士は,1040億ドルかかるこのプロジェクトで4人の宇宙飛行士を新しい宇宙船で月に送ると述べた。NASAは2004年1月のジョージ・ブッシュ大統領による放言によって,宇宙探査計画を発動させた。その展望によって,月に再び人を送り,その先に火星への有人飛行を目指している。あなたからの意見,「わたしたちが空を見上げ,再び想定できないところを探査することは,素晴らしい」。

 記事中にあるように,NASAが月に人を送ったアポロ計画は1968年から1972年のこと。合計12人が月の地を踏みしめたことになっているが,すでにそれから30年以上も経ってしまっている。アポロの月面着陸は全部嘘だったんぢゃないかと普通に云われるぐらいに(過去記事),中途半端なままになっている感じがするのだけど,実際はあまりにも当時としてはハデにやり過ぎて,もうやることがあんまり残ってないだけの状態とも云われたりする。よくよく考えれば,アムンセンが南極点に到達したのが1911年,その後ポツポツと航空機も利用した南極大陸上陸の話はあるものの,南極での基地建設が活発になるのは世界大戦後の1940年代後半,1950年代だった。つまり,40年近くの間があると云うこと。それっくらいの時間的間隔は,あって当然と考えた方がいいのだろうか?

 月は,観光目的か,エネルギー資源確保か,そんな目的のためのゴールになっているようだけど,もうひとつは,天体観測もありそうだ。月自体が天体のひとつであるいまでは話が変になるが,地球上からみえる星の数と,月の上からみえる星の数は大きく異なる,と云われる。大気や余計な邪魔者がなにひとつなく,夜空を見上げられる月は,天文学者にとっては天国になるだろう。より遠くへと眼を延ばすのに,月より最適な場所は地球上にはない。エネルギー確保とかそんなのはどうでもいいが,その夜空をみるためなら,憧れ以上の存在にしてもよさそうに,思う。



 
[2005.09.28]
  お金と作品


 ▼Labels hit back at Apple, now want share of iPod revenue(www.engadget.com)【英語】
  http://www.engadget.com/entry/1234000140060331/


 「3000円とか150円とかとつり合うような商品は,その時点ですでに意地汚い。お金なんかと同価値に堕ちてしまったものに,作品としての価値など残っていようがない。と,それは否定できないのだが」。

quote:アップル社と音楽レーベルは,iTunes ミュージックストアの1曲0.99ドルという価格設定について対立を続けている。アップルのスティーブ・ジョブズCEOは音楽レーベルを「どん欲だ」と非難しているが,ワーナー・ミュージック・グループのCEOはそれに対して反論した。同氏は0.99ドルが過去の価格設定だと云う気はないが,一部の曲はもっと高値でよいと述べる(もっと安い価格設定の曲について彼が言及していない点に注意しよう)。そして,アップルはiPodの販売を促進するために曲の価格を抑えているとし,iPodの収益をレーベルにまわすべきだと述べた。

 わらた。そりゃジョブズからもどん欲だと云われるわな(Zeropaid.com Newsの記事)。もちろんアップルもどん欲はどん欲過ぎるんだけど,それを上回る音楽業界の意地汚さ。何年も見続けてきているけど,この終わることのない下品さは,音楽に携わっている人間はすべてそうなのかと勘違いさせるほどだ。音楽を仕事にする? なんて恥ずかしい,そんな,人間としてイコール恥と感じさせるような仕事をするとは…,なんて云われそうな。

 もとはと云えば,音楽を売っているのは,そもそも違和感がなくはない。それはすでに商品であって,音楽作品の範疇からは逸脱してしまう。もちろんそんなことを云ったら,小説だろうと映画だろうとすべてがそうで,わたしたちは食べ物を買わずに生きてはいけないし,普通に生活するにもお金がかかる。だから人は音楽で儲けを得ようとする。でもそうすると,お金の価値でしか計れなくなる音楽はどんどん意地汚いものになっていく。そして,そのとき,コピーを促進してすべての音楽は情報として拡散すべき場所となるネットワークと音楽は,より仲が悪くなる。あぁ,誰かこのとことん苛まれる状況を改善してくれる大変革を起こしてくれる者に居ぬものか居ないな。



 
[2005.09.26]
  サイトの情報の見目


 ▼China hits blogs where it hurts(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2005/09/26/china_bans_blogs/


 「ネット上のサイトは,どんな情報であれ,与えても構わない。口をつぐむべき情報など,ひとつとてない。与えて,受け取り手が受け取るか,どう判断するかは,受け取り手に任せるべきことだ」。

quote:中国政府はブログやオンラインニュースに新しい検閲を導入する。これは,どのような個人や組織が情報を提供するかや,メーリングリストの配信にも,当局への名前の登録が必要になる。中国政府は「市民に誤解を与える不健康なニュース記事」を抑えるとして,そのような規制を強めている。

 過去記事でちょっとだけ触れたことだが,中国政府のネットワークへの規制がより激しくなり出しているようだ。もう一度繰り返すが,ネットワークを規制することは,最終的にはできない。最初はうまくいっているようにみえるかもしれないが,随所にさまざまなほころびが生まれてきて,最終的には規制をしていた方がしっぺ返しを食うだろう。

 予言してもよい。過去に天安門事件のような悲劇を生んだ国は,いまのままネットワークの規制を続ければ,そのネットワークを利用した勢力によって,痛手を負うだろう。国籍や人種が異なっても,人はそのような不自由から逃れることを望む願いを持っている。ネットワークは,そのために,存在しているのだ。日本にたくさんいるらしい政治家も,同じだ。その点を理解できないようなら,大きな見返りを差し出さなければいけないことになるだろう。



 
[2005.09.24]
  被害と日常


 ▼Coral 'little damaged by tsunami'(BBC NEWS)【英語】
  http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/asia-pacific/4196010.stm


 「よくよく考えたらサンゴ礁ってみたことないんですが」「わたしもないよ」。

quote:インド洋津波を浴びたタイの西の海岸175の地区の調査では,約60%のサンゴ礁がほとんど損害を受けてなく,約90%はひどい損傷を逃れていた。約22万人が死んだ大津波だが,13%のサンゴ礁は5〜10年で回復すると研究者は述べている。この研究結果は9月6日,ロンドンでの王立地理学会の年次総会に提出される。

 「サンゴにとってはマグニチュード8.9の地震も最大10メートルとも云われる津波も,日常ごとのひとつということか」「まぁ地震で海底が隆起して,海上に出てしまったサンゴとかは死んだみたいだけど,でも多くは被害なしというのはすごいかな」「広島の原爆の1/5の爆風だと云うYOMIURI ONLINEの記事もあるが」「まぁ津波と原爆の圧力を比較することがまず間違っているけどね。サンゴにはそんなの全然関係ない話だし。被害を受けたところも5〜10年で自然回復するんだから,エライことだ」。

 「被害を受けないってことは,そういうこともあり得るって思ってたってことだよな」「思ってはいないだろうけど,さっき云ってた日常ごとのひとつと云うのは正しいだろうな。というか,地震だの津波だのを特殊なことだと思っている人間がそもそもおかしいだけだろ」「そう,かな」「一生に1度しかないとかなら特別なことと思ってもいいけど,台風が来るとか,地震が起こるとかは1年に何度もあることだから,大騒ぎする方がおかしいんぢゃない?」「毎年起こるほどの規模でしかないなら,テレビとかが騒いであおってるだけかもしれないが」「新聞やテレビのニュースにとっては,どんな被害を受けている人がいても単なるネタだからね。ネットワークなどで全体を見渡せないと,単なる騒ぎに加わってる迷惑な人なだけだヨ」。



 
[2005.09.22]
  残り音の閃き


 ▼Keystrokes reveal passwords to researchers(USATODAY.com)【英語】
  http://www.usatoday.com/tech/news/computersecurity/2005-09-20-keystrokes-passwords_x.htm


 いつも隣を歩いていた彼女の靴の音,それと同じように,キーボードの音も。

quote:スパイウェアとキーロガー以外に,研究者はキーボードを叩く,カタッカタッという音がプライバシーを脅かすことがあることを発見した。カリフォルニア大学バークレイ校の研究者によると,キーボードのノイズを録音することで,打っているテキストを判別することができると云う。録音した結果を翻訳していった結果によると,最終的に96%の文字と,88%の単語を判別できた。

 わたしはいくつかキーボードを持っているが,それぞれのキーボードの音の違いはわかる。音だけ聞いても,あっこのキーボードを叩いている音だなとわかると思う。さすがに個々のキーの音は判別できないが,まぁとことんまでやればできるだろうということはわかる。日本語では特に変換時に叩くことになるスペースキーは,若干強く叩くことになり,小指の方は弱くなる。また変換確定や改行のリターンキーも強くなる。そこで,音の強弱が生まれる。ほかにも人によってさまざまな癖が,キーの叩き方にある。

 以前勤めていた会社でのこと。ずっと後ろでキーボードを打っていた派遣社員の方がいなくなり,別の人が座ってキーボードを打っていたときに,いつもと違う音が聞こえてくることに気付いた。キーを打つリズムが違うし,もちろん速度も違う。個人によって異なると思うので,果たして記事にあるように文字を判別して翻訳できるかどうかはわからないが,人によってキーの音は違う。姿形や声質,微香などがなくても,そんなのでも人の違いを感じることはある,確かに。



 
[2005.09.20]
  時,その顔


 ▼Moon, sun and Yosemite align for photo(USATODAY.com)【英語】
  http://www.usatoday.com/tech/science/space/2005-09-12-adams-encore-photo_x.htm


 歴史とは,事象でしかない。時はもっといろんな顔を持ち,歴史は,そのひとつでしかない。だが,それが明確であるのと,なにもわからないのとは,別物だ。

quote:テキサス州立大学の天文学者は,アンセル・アダムスの著名な写真「オータム・ムーン」を撮影したのが,1948年9月15日の午後7時3分だとの結論に達した。太陽,月,そして山が同じ位置に並ぶことは,19年に一度あり,今年の9月15日がそうだった。「天文学によって,それがわかるのは素晴らしくおもしろい」,アンセル・アダムス・ギャラリーの館長で写真家の孫であるマシュー・アダムス氏は述べている。

 世界遺産として登録されているカリフォルニアのヨセミテ国立公園の一角から撮影された「オータム・ムーン」(コピー)は,これまで1944年に撮影されたと信じられていた。だが,研究によって,分数まで正確にわかったようだ。月が同じ位置にあり,沈んだ太陽が同じように光を放ち,山と空がその光を受け止める。アンセル・アダムスの写真はモノクロだから,それが白黒のモノトーンになっているだけだが,秋の月の霊妙さとなにもかも見通すかのような月光が,煌々と輝いている。

 君はいつも窓の外の景色だけをみていて,それをスケッチブックに書き記していた。たったひとつの構図。葉の数は異なるが,いつも同じ場所に樹が立ち,寂れた小屋が脇に建つ,夕暮れ,夕立,真夏の陽射し,降り積もる雪,春を告げる満開のツツジ。そんななかに,その月が浮かぶ情景はあった。その,月と残る夕の陽射しの構図からも,君がいつみた光景なのかを調べることもできるのだろうか。いや,よそう。世界は,日付の上で動くのではない。時はいつも,あとから追いかけてくるものだから。(refer to ハチミツとクローバー #7)



 
[2005.09.18]
  いま,所定の命題


 ▼Life in an Afghan village(BBC NEWS)【英語】
  http://news.bbc.co.uk/1/hi/world/south_asia/4209480.stm


 ここで生きることが,すべてになる。ただ,それだけのことだ。

quote:アフガニスタンの村での生活を深く伝えるために,BBCは首都であるカブールの北の村に住む6人のアフガニスタン人に,あなたの電子メールを送ろうと思う。村には300の家族が住み,そのほとんどはパシュトゥン人だ。経済的に厳しい状況のなかで,彼らは自分の生活を建て直そうとしている。シャイスタ,14歳,女子学生。日雇い労働者の娘である彼女は,「教育は重要だ」と云う。「もしわたしが医者になれたら,みんなの病気を取り除いてお金を稼ぎたい」。シャイスタは4人の姉妹と3人の兄弟がおり,みんな学校に行っている。彼女は戦争が終わって,パキスタンでの避難者生活から戻ることができて満足している。だが彼女の家には電気やテレビがなく,映画を観ることもできない。「そしてお父さんは,常に勉強しなさいと云っている」。

 ほかに5人,計6人のアフガニスタン人が紹介されている。ああ,このような人たちも地球上にはいるんだな,と感じる。自分の生活が豊かだとは思わないが,このような,生活に苦しんでいる人たちに比べると,自分はまだ幸せな部類の方なのかもしれないと思う。わたしの家には,テレビというものがない。まぁパソコンで観られるようにはしているが,そもそもないと,情報の入手手段としては役に立たない。そして,それには困っていない。ネットで十分なのだ。だが,この記事はいかにもBBCらしい,テレビ向けであるネタをネットに持ってきた感じだ。そこに,ちょっと新鮮さと,心に残る影があった。わたしには,かえっておもしろかった,と云える。

 彼女にメールを送るとしたら,わたしは,なんて書くだろうか? 身近な知り合いぢゃない,たぶん直接会うことなんてない,遠い異国の彼女に。言葉だけでしかない励ましを送って,意味があるだろうか? いやでも,どんなことに興味を持っているかは訊いてみたい,ぼんやりとそんなことを思う。彼女がBBCの介さない,自らの手でネットにつながるのはいつの日だろうか? それは,遥か未来のことではないだろうけど,まもなくではない。ネット上の人口は,数年前と比べても莫大に増えているけど,まだ,まったく手を付けていない人もたくさんいる,彼女のように。そう。すべての人が同じようにつながる必要がある。それが,この世界の命題なんだ。いつか,彼女のブログを読める日のことを思いながら,そう考えている。(Yahoo!翻訳での記事の日本語訳



 
[2005.09.16]
  and so, MP3


 ▼Headphones do double duty(USATODAY.com)【英語】
  http://www.usatoday.com/tech/columnist/edwardbaig/2005-09-14-plantronics-headset_x.htm


 昨今ではMP3を再生できない携帯電話なんて探すのも難しいけどな。どっかの国以外では。

quote:エドワード・ベイグ氏のコラム。ほとんどの人は,携帯電話とMP3プレイヤーをそれぞれ持っている。そして,それぞれのヘッドフォンは別々だ。それを同じにするブルートゥース・ヘッドフォンが,プラントロニクス社のパルサー590だ。LG電子社の携帯電話で試すと,きちんと動作しているときは,電話がかかってくるとちゃんと音楽が消え,ヘッドフォンのボタンを押して着信を受けることができた。ほかのブルートゥース・ヘッドフォンほど高くなく,ヘッドフォンだけで150ドル,マイクにするアダプター付きで200ドルだ。普通のステレオジャックに発信側を差し込めるので,普通のiPodにも付けられる。ただ,デザインがあまりよくない,ボリュームなどの操作ボタンがiPodでは動作しない,ときどきかかってきた電話を検出しなかった,などの問題があった。

 パルサー590は,www.engadget.comの記事もある。iTunes電話であるモトローラのROKRにぴったりのブルートゥース・ヘッドフォンが欲しいとみんなが思っているころなので,この記事も出てきたのだろう。携帯電話とMP3プレイヤーの両方を一緒に持ち歩くことが無駄だと感じるのは,世の東西を問わず同じだ。どっちか使うことが少ない方を持ちたくないと思ったっておかしくない。ぃゃ,それ以前に普通にMP3を再生できる携帯電話がないこの国は,そもそもおかしい。「音楽携帯」とか銘打って,MP3も再生できないなんて笑い話かと思わせる。

 わたしがノキア7600(過去記事)を携帯電話として使って,もう1年ぐらい経ついちばんの理由はそれでしかない。MP3もブルートゥースで転送してそのまま再生でき,ノキアのヘッドセットであるHS-4W(過去記事)でMP3を聴き,電話がかかってきたらMP3が自動的に止まって着信音が再生され,ヘッドセットのボタンで着信を受けられる。もちろんヘッドセットは基本的に音楽用ではないので,音質は落ちる。だがヘッドセット自体は片耳だし,わたしは音質に全然こだわらない人なので問題ない。たとえあっても,携帯電話とMP3プレイヤーが一緒になってる便利さの方が上だと思うのだが。ホントにいつも携帯電話の話になると,日本の携帯電話ってダメなのしかないなぁと思って終わりになるな。悲しいことだ。



 
[2005.09.14]
  政治の川底


 ▼China blocks Skype, VoIP(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2005/09/12/china_blocks_skype/


 ワイヤードをコントロールできる政治力は,存在しない。

quote:中国最大の電話会社であるチャイナ・テレコムでブロードバンドに接続している顧客は,スカイプアウトを使って一般電話にかけるためにスカイプを使用できないことを知っている。さらに,ほかのVoIPの使用も妨げられているかもしれない。上海デイリー紙によると,チャイナ・テレコムはスカイプアウトで一般電話にかけている顧客の情報を収集していると云う。ロイターによると,チャイナ・テレコムの当局者は「中国の法規によって,パソコンからの電話は厳しく管理されている」と述べている。すべてのレポートを集めると,それらは政治上の理由ではなく経済的な理由だ。中国政府はVoIPを中国の利益につなげたいのだ。

 eBayによるスカイプ買収の記事(The Registerの記事)の2時間半ぐらい前に出ていたのが,上記の記事。日本で云うところのNTTみたいな存在感を持つプロバイダーであるチャイナ・テレコムでネットに接続している人間は,まともにスカイプが使えていないらしいのだ。記事中にもあるのだけどスカイプの代表者も中国市場の大きさは前から考えており,かなり当てにしていた。そして先週,スカイプアウトでの接続のために中国の携帯電話業者と契約はしたんだけど(The Registerの記事),それがきちんと機能していないのが現状のようだ。

 個人的には中国の政治土壌について口をはさみたくはないが,中国政府のネットに関する規制,制限,抑圧の話はよく耳にする。よほどネットワークをコントロールしたいのだろうと云うのはうかがえる。だが実際のところ,それはうまくいくだろうか? 過去に軍事力による抑圧も行った国だけに,耳にするネットワークに関する規制も,いぶかしく感じられる。直接ユーザーと会話したことはないのでなにもわからないが,だが最終的に国の政治なんて,ネットワーク上の総意のもとでしか成り立たないということは知っておくべきだ。先週末に日本では選挙があったらしいが,その結果だって,ネット上をあちこちみていれば,予想できたものでしかない。国の政治なんて,そんな存在でしかないんだよ。



 
[2005.09.12]
  パックマンは太陽を


 ▼Researchers create 'Human Pacman' game(USATODAY.com)【英語】
  http://www.usatoday.com/tech/products/gear/2005-09-07-human-pacman_x.htm


 見上げた空に,手をかざす太陽の光があるゲームを,ボクたちは待っている。

quote:誕生から1/4世紀経って,研究者グループがパックマンを現実に引きずり出している。研究者の開発した「ヒューマン・パックマン」ゲームでは,プレイヤーはカメラの付いたゴーグルを含むラップトップを身に付け,通りを歩く。彼の付けているゴーグルの表示では,道にはドットが表示されている。ゴーグルによって,プレイヤーはゲーム中の仮想の物体を現実中にリアルタイムに重ねられる。

 過去記事パックマンハッタンのことに触れたが,それをもっと発展させたようなヒューマン・パックマン。パックマンハッタンでは,リアル(現実)にキャラクターを配置して,それをコントローラーが動かす,という感じだったが,ヒューマン・パックマンではキャラクター=コントローラーとなって,やってる人間としてはより楽しめる,かもしれない。ただまぁその分,持ち歩かなくてはいけないものは増えて,装備の重さは約2.5kg,それにかかる費用は7780ドル(約85万円)だそうだ。高いよ…。だが,研究者グループはそれをウェアラブル・コンピュータとヘッドセット,そして3G携帯電話に置き換えるため,8月に香港のゲーム会社と取り引きを行なったと最後に記されている。ヒューマン・パックマンがより身近に楽しめる日は,来るだろうか。

 「ゲームには,あの時代,とってもつまらないものしかありませんでした。なぜつまらなかったのか? いまだから云えることですが,いつまでもテレビ画面のなかで銃を打ち続けたり剣を振り回したりとか,そんなことばかりをしていたんですね。せっかくネットワークですべてがつながることができたのに,いつまでもテレビ画面のなかに引き篭もっていた。世界はもっと広大で,面白さに満ちているというのにね。小さい小さい四角形のなかで,画面がきれいになっただのリアルさが増しただの,そんなつまんないことばかりに夢中になっていたんですな。いまから考えると,あの時代のゲームは,なんて暗黒時代だったんでしょう。そして,リアルにすべてを解き放ち,ゲームはやっと,真実の姿を得たのです」。



 
[2005.09.10]
  結合と煌めき


 ▼Google hires 'Astro' Cerf(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2005/09/08/astroman/


 たくさん嫌って楽しいことはなにもないので,別に理由もなく嫌う必要もないんだけど,さて,やっぱりあやういところを渡ってはいるなぁ。

quote:TCP/IPプロトコルの共同作成者であるビント・サーフ氏が,グーグル社に勤める。サーフ氏はここ数年,3つの役割は果たしていた。ひとつ目はICANNの議長としてのあれこれ,ふたつ目はTCP/IPを宇宙に広げると云う考えを深めること,みっつ目はそれに絡むように,「アストロ」・サーフとしてスタートレックの制作者と関わりを持っていた。

 びっくりした。なにかと,いろんな意味でニュースの多いグーグルだ。ただ新しいソフトやサービスの提供を開始したとかそんなニュースではない。ちょっと前には,IT系ニュースサイトのCNETを1年間追放するなんてこともあった(過去記事)。またマイクロソフトのように独裁的な存在となって,みんなの嫌われ者になる,という報道(過去記事)は,まだ世間を騒がしている。さらにこれは本当かどうかはわからないが,マイクロソフトの社員を引き抜き,それに対してMSのスティーブ・バルマーCEOを激怒したとか云ううわさ話もある。

 そんなあれこれのなかでの,このビント・サーフ保確も,いろいろとうがった見方をしようと思えばできそうなんだけど,個人的にはグーグルを嫌ってはいないので,そこまでいっていない。しかし。ビント・サーフとグーグルというその組み合わせだけで,口あんぐりとなるほどなんだけど,「グーグルのビント・サーフ」として,果たしてどんな役割で立ち回ってくれるのか,楽しみではある。これは,すげー,ことなんだヨ。とまとめたいんだけど,やっぱりグーグルを嫌うか,どうか,の判断次第なんだよなぁ。難しい。



 
[2005.09.08]
  嫌われるべき奴?


 ▼Google: The next Microsoft? Noooo!(USATODAY.com)【英語】
  http://www.usatoday.com/money/industries/technology/maney/2005-08-30-google-microsoft_x.htm


 グーグルは,企業として立ち上がってからもうまくはやっている。だが,すでにいくつか嫌われる要素は持ち合わせている。それが表に露出せずにすむかどうか,わたしたちはニヤニヤしながらそれをみている。

quote:ケビン・マネー氏のコラム。グーグル社が次のマイクロソフト社だって? ノー! 確かに,あらゆる産業がグーグルに対して危機感を感じている。グーグルならどんな相手でもやっつけてしまいそうだ。グーグルは突如,マイクロソフトよりも怖くなり,グーグル・トークを発表した直後の先週,記録的な売り上げの達成を発表した。また,マイクロソフトの領土だったデスクトップの検索にも,グーグル・デスクトップ2をリリースした。さらにグーグル・マップとグーグル・アースでは,この前までリーダーだったヤフー・マップとマップクエストにもう追いついていると云う。スティーブン・アーノルド氏は彼の新しい本である『グーグル・レガシー』のなかで,「グーグルはこの時代の変形コンピュータ・プラットフォームだ」と述べる。世紀末にマイクロソフトがその役目を果たしていたが,現在それはグーグルになっている。

 「グーグルはマイクロソフトになるのか?」。この発端は,8月下旬にニューヨークタイムズ紙に載せられた,ゲイリー・リヴリン氏の「グーグルは新しいマイクロソフトである」と云う記事だった。グーグルの支配力は確かにすさまじいものがある。もう,単なる検索エンジンの会社ではない位置にまで昇り詰めてしまっているのは,みんなわかっているだろう。これなら,あの絶頂期のマイクロソフトと同じになるのは,すぐのようにも思える。そのとき,創設者であるサーゲイ・ブリン氏とラリー・ペイジ氏は,ビル・ゲイツになるのだろうか? 訊いたほとんどの人が,悪い会社だよねと云うような会社へとなってしまうのだろうか?

 ケビン・マネー氏はグーグルはマイクロソフトと違う,とタイトルを打ちながらも,でも内容はグーグルが勢力を拡大していることに終始している。これほどまでに独裁的に支配力を拡大していくのは,確かにあやしい。注意すべきだ,誰かが背中からそう忠告する。だが実際のところ,グーグルはうまく立ち回ってはいる。MSみたいな,大きな失敗もしてない。個人的な印象になってしまうが,嫌われるべき行動を,まだ強く表に出してはいない。これからタガが外れてくるのか,それともMSとは違う独裁力をみせつけてくれるのか,これからのネットの楽しみのひとつであるかもしれない。あなたは,グーグルが,嫌いですか?



 
[2005.09.06]
  基


 ▼Text messaging taps youth(USATODAY.com)【英語】
  http://www.usatoday.com/tech/products/services/2005-08-24-text-message-book_x.htm


 この世界は,ネットワークを基に動く。それ以外には,なにも存在しないのだから。

quote:親は10代の子どもがしょっちゅう携帯電話をいじっていることを止めさせたがっているかもしれないが,子どもは本の作者とコミュニケーションを取っているかもしれない。出版社は,携帯電話によるさまざまな宣伝活動を行なっている。そんなサイトであるモバイルクラブでは,週2つのテキストメッセージを配信する。出版社は18ヶ月前に英国でこれを導入したとき,ヒットしたと述べる。英国のベストセラーのリストで,2年半以上も首位を守っていたハリー・ポッターを打ち破って首位を取ったのだ。出版社のランダムハウス社は,今年の初めに携帯電話のマーケティングを始め,8000人の携帯電話の登録者がいた。公式サイトであるシスターフードセントラル・コムへのアクセスは前年と比べて700%アップした。

 別の話になるんだけど,ちょっと前にどっかのニュースサイトで,災害用に携帯電話でテキストメッセージを送ればいいぢゃないかという話が出てた。テレビなんか電気が止まったら全然映らない,ラジオなんか持ってない人も多い。だが,携帯電話ならみんな持ってる。テキストメッセージ(SMSでもEメールでもいいんだけど)で警戒地域や避難場所を伝えたり,さまざまな伝達事項を行えばよい。世界の仕組みが携帯電話があることで成り立っているのだから,それに併せて世界の対応方法も変わるべき,ということだ。まぁ真っ当な意見だと思うが,おおむね老人はそのような仕組みに動かない。

 マーケティングも災害警報も,そのほかのなんだって,178度ぐらい変わってもいいはずなんだけど,世の中は2度ぐらいしか変わらない。ただ携帯電話自体だって,もうすでにWi-FiでのVoIPが基本になっていいはずなんだから,とっとといまの携帯電話はなくなってくれていい。どうせ実際に話したりメッセージを送るユーザーにはなんの変わりもなくて,無駄な金を払うこともなくなるのでよいことだけだ。変えたくないのは,いままでの金や方法にすがっていたい老人だけであり,そのようなものは,殺してよい。



 
[2005.09.04]
  この世に必要な価値がある…


 ▼DVD Jon hacks Media Player file encryption(The Register)【英語】
  http://www.theregister.co.uk/2005/09/02/dvd_jon_mediaplayer/


 ノルウェーの裁判所は,彼が自身のリナックスのパソコンでDVDを再生するためにDVDをハックしたと云う主張を認め,法を犯していないと認めた。なら,これも大丈夫そうだ。ぃゃ,それ以前の行為でしかない。

quote:ノルウェーでもっとも知られているITであるDVDヨン,ヨン・ヨハンセン氏は,ウインドウズ・メディア・プレイヤーがストリーミングに利用するNSCファイルにおける暗号化コードをハックした。彼は,VideoLAN Client(VLC)で再生可能にするために,このハッキングを行った。VLCはリナックスを含む12のOSで利用可能であり,マックOS Xでは600万以上のダウンロードを記録している。ヨハンセン氏は述べる。「ウインドウズ・メディア・プレイヤーは,たいしてよくない。ウインドウズとマックのユーザーは,NSCを再生するためにやむを得ずそれを使うべきではない」。

 わたしは基本的にはマックOS Xユーザーなので,実際のところウインドウズ・メディアのファイルにさっぱり興味がない。ウインドウズ・メディア・プレイヤーはハードディスク内にないし,リンクがあってもその時点で無視することが多いのだけど,このニュースがあってから調べてみると,ウインドウズ・メディア・プレイヤー9がOS X向けにあるらしい(マイクロソフト社のページ)。でもDVDヨンのおかげで,もしどうしてもみたいウインドウズ・メディアのファイルがあっても,VLCですんでしまうようになりそうだ。

 この世に必要な価値がある著作権管理技術など,存在しない。そも,あること自体おかしいんだけど,世の中にはそんなものを使いたがる人も多いらしい。でも,DVDも,iTMSも,著作権管理技術が破られているからこそ,普及している。破られていない頃は,本当に普及するのかどうか誰もわからなかったが,破られたら真っ当に普及した。ウインドウズ・メディアが普及するかどうかなんて知らないが,これでもし,そのファイルを目にすることがあっても,再生することが多くなることは確かだろう。もう一度,云う。この世に必要な価値がある著作権管理技術など,存在しない。



 
[2005.09.02]
  必要なお店


 ▼Amazon.com opens big doors for small publishers(USATODAY.com)【英語】
  http://www.usatoday.com/tech/news/2005-08-13-amazon-small-publishers_x.htm


 街角の風景も,変わる。

quote:生物学者のブルース・リプトン氏は,自身の本を売る方法を探して1年を浪費していたが,アマゾン・コムを当てにする小さな出版社によって,半年で4万2千冊を売ることができた。陳列棚のスペースに限りがないことを特徴とするシアトルのアマゾン・コムは,ほかの無数の作者や小さい出版社の助けとなっている。実際の書店と比べると,アマゾン・コムはかなり少ない数の本を出版社に注文し,それを滅多に返却しない。アマゾン・コムが売れずに返却する本は10%未満だと云われる。

 米国のアマゾン・コムと日本のアマゾン.co.jpにどのような違いがあるか,はわからないが,アマゾン.co.jpの話をしてしまうと,個人的には生活に根付いているなぁと思う。以前は街中の本屋やCD/DVD屋に足を運ぶことは普通だったが,よくよく考えると最近そのようなことをした記憶がない。逆に,なぜ街中に本屋やCD/DVD屋なんかが存在しているのかがよくわからない。そんなのを利用している人がいる理由も理解できない。

 きょうのThe Registerの記事が,英国の地元の店はオンラインでものを売ることができていないことで15億ポンド(約3000億円)の損をしている,と云う調査結果があると報じている。この世論調査では人々が地元の店で買いたいという感情を持っていることもわかるが,でもそれには買いに行く時間が必要となることを述べている。アマゾンの一極体制になることは好ましくないが,現状ではそれがもっとも確かな仕組みであることは否定できない。10年後,30年後,街中に残っている店では,いったいなにを売っているのだろうか?(やっぱり食べ物屋だけなのかなぁ)



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